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2015.05.26.Tue | -
ヘイデースの花嫁(仮題): 本編その11〜12 by tem-monさん
JUGEMテーマ:自作小説
 
いよいよ盛り上がって来たゾウ。
この支配人の怪しさはtem-monさんの真骨頂って感じですね。
そして……仮面くん。

この先、楽しみだわあー。




tem-mon のコメント 2009-01-01 22:18:29 :
《本編・その11:In the innocent labyrinth(その無邪気なる迷宮で)1》


「実は、皆様方にお願いしたいことがあるのです」
 部屋に入った鳳支配人は、「鳳 紅雷(ファン ホンレイ)と申します」と自己紹介したあと、開口一番にそんな事を言い出した。
「お願い、だと?」
「ええ、その通りでございます」
 しれっとした笑顔で答える支配人。造作は整っていて、美形の類と言えるだろう。だが、その内面はまるで読めない。
 真顔で迫るデュランの迫力にも、涼しい表情が一向に崩れる気配すら無い。元から細い糸目の瞳がさらに細く鋭くなる。初めは優しそうに見えたその張り付いたような笑顔が、なぜか、次第に不気味にすら見えてきた。
 その表情がわずかに変化した。その時だった。
「二人ともさ、そんなに睨みあっても始まらないって。それよりも、建設的にいこうよ。まずは、説明と状況確認だよね状況確認」
 ナハトが笑顔で割って入った。抜群のタイミングだった。絶妙に緊張感を崩された二人は、苦笑して向き直る。
 支配人の笑顔から不気味さが消えていた。
「申し訳ありません。お客様に説明不足をさらしてしまいまして」
「いや、こっちこそ済まなかったな。まずはお互い話を聞くところから始めなくてはな」
「そうだね。でも、まずはなんでこっちの話を知っていたかという事とか、聞きたいかな? 情報は共有しないとだよね、でしょ、鳳(フォン)さん?」
 ナハトがすかさず切り返す。二人の視線が交差する。
「……クスクス、なるほど怖い方のようですね」
 支配人は満足したように口元の緩みを深めた。

「申し訳ありません、お客様方の会話だけ、モニターさせて頂いていました」
「ええ、そんな!?」「ひどっ」
 イズミとケンが非難の声を上げる。
「……しれっと応えるよね。どっちが怖い人なんだか」
 ナハトが「だよね、やっぱり」とため息をつく。
「申し訳ありません。しかし、それには訳があったのです」
 鳳支配人の言葉に、さすがにケンが言葉を荒げる。
「そりゃそうだろーけどさー! というか、おれたちはともかく、イズミについては怒っていいよね?」
「もちろんよケン、どんどん思い切り言っちゃってやって!!」
 その言葉を聞いた途端、鳳支配人は、イズミの視線にあわせて床に膝をついて語り出した。見開いた二重の綺麗な瞳にイズミが映る。
「お願いです、誤解なさらないでくださいませんか。女性につきましては、女性秘書に担当させましたので、私は何もお聞きしてはおりませんよレディー。貴女のようなお美しい美少女に、嫌な思いなどさせたりなど致しません」
 絶対です、と明言され、いきなり正面から真面目な顔を向けて褒められたイズミは、顔を赤くして言葉を変えた。
「そ、そうね。なら問題ないわ!」
「ちょっ、イズミ?! 何を言おうが盗み聞きは盗み聞きだろ??!」
 言い合い始めた少年少女を尻目に、笑顔で向き直る支配人。
「話をお戻し致しますね。その訳というものについてですが」
「……」「……」
 今度こそ、ナハトもデュランも(こいつ、信用ならねー)という思考の顔で一致した。


「しかし、あいつの提案を受けてしまっても良かったのか、ナハト」
 受けた依頼の準備をしながらデュランはナハトに小声で訊ねる。
「……まあ、仕方ないと思うよ。今のところ、対応策といってもそれ以外オレも思いつかないし」
「確かに、例の仮面の思惑が分からないことにはな……。まずは全員の避難と無事が最優先か」
 デュランが腕を組んで考え込む。
「その思惑が鳳支配人側にすら見当もつかないっていうのも、あんまり信用できない話なんだけどね……けど、オレたちの身体能力や技量に目をつけてたってのは、本当だと思うんだ。多分、それ以外の理由もあるけど言ってないだけだと思うけど」
 言外に[信用はしても信頼するべき相手ではない]と言っているも同然だった。
 だが、それでも気を抜かないままならお互い役に立ちそうだ。狸と狐の関係か。この場合はどっちがどっちなのかは置いておくけど。
「ま、相手もそう思っているんだろうけどね、っと、準備できたよ」
 苦笑して立ち上がる。見ると、でデュランも準備できているようだ。
「そうだな。まずは、思惑に乗ってやるとするか」
「そういうこと。相手のボロが出るまでは、真剣に、ね」
 がしっ。無言で腕をかち合わせる。
「行こうか、ディー」
「ああ」
「……あのー、あたしたちもまだ部屋に居るんですけど」
「け、結構疎外感?」
 イズミとケンは、その「なんか変」な空気に汗を垂らした。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆

ちょっと手直し。
どないでしょうか。


<tem-mon  のコメント2009-01-01 22:39:57 : >
という訳で。お久しぶりの更新です。
遅くなってすみません。
でも、プロットはちゃんと作ってありますから!
次回はたぶん週末ですから!(苦笑)
信用してくださいよーーーーーぅっ(涙)
今年はちょくちょくちゃんと書いていきたいです

< karicoboのコメント 2009-01-02 01:36:34 :  >
お、何か始まる予感。支配人の怪しい感じがいいなー。
ナハトが活躍してくれてうれしいです。ナハトとディーの息の合い方についニマニマしてしまう貴腐人であった。



tem-mon のコメント 2009-01-10 09:29:38 :

《本編・その12:In the innocent labyrinth(その無邪気なる迷宮で)2》

「なるほど……では、その仮面の男性が、能力でジャンプしながら騒ぎを繰り返しているという訳ですね。そして、その男には、普通とは違う思考波が感じられると。ならば……」
 説明を聞き終わった鳳 紅雷(ファン ホンレイ)は、確認するように何かをつぶやく。
「それで、オレたちはどうすればいいのかな」
 ナハトが訊ねる。自分達に頼みがあると言ったのは、そちらの方だと催促する。
「そうでしたね」
 支配人が満足の微笑を浮かべて言う。
「あなた方に目を付けさせて頂いたのは、やはり正解でした。実は、半月ほど前から、このセレモニーに騒ぎを起こすと脅迫状を送りつけてきていた団体がありまして」
「なっ!」
 デュランが憤慨する。
「だったらセレモニーそのものを中止にするべきだっただろう! なぜそのまま開催などしているんだ!」
「そこが難しいところでして」
 支配人は大袈裟なため息をついた。
「なんとしても無事に開催しろ、というのが上のお達しなのですよ」
 中間管理職の辛いところです。そう言ってまたわざとらしいため息をつく。
 どこまで演技っぽい奴だとデュランまで内心息をつく。どれが本音かまるで分からない。まさか、全て演技ではあるまいが。
「そこでですね、本来招待されるべきお客様ではないのですが、自然と皆さんを守っていただけそうな方、という人選で、キャンセルの方分のチケットを贈らせていただいたのが、あなた方だったというわけでして」
 ニコニコととんでもない事をのたまった。
「ちょっと待て」
「酷くない、それ」
「ひでー……」
「なに考えてるのここの人は?!」
「皆様が仰ることも最もです。ですので、ケン様のお父上様のご設計された当ホテルに、お鉢が回ってきた次第でして。ここの設備は万全ですので。しかしながら、そのケン様方までご同行していただけるとは思いませんでしてハイ。至極光栄の至りに至り」
 モミ手モミ手。いけしゃあしゃあとヨイショする。厚顔無恥にも程がある。
「万全って……入り込まれてるじゃん……父さん……」
 ケンがじと目で駄目を出す。全員が同意して頷いた。
「いえいえ、これからが本番ですよお客様」
 ふっふっふ、と支配人としては不穏な笑みを浮かべる鳳 紅雷。
後じさる四人組み。それを笑顔で見据えながら、眼鏡の中央を二つの指で押し上げる。説明口調時にわざわざ取り替えた眼鏡が効果として光っていた。
(……まさかこの為だけに取り替えたんじゃないだろうなこの男!?)
「このホテルには様々な仕掛けが施されているのです。しかもそれは、移民の国の大学が入るのは簡単なのに卒業するのが至難の如く! 当ホテルも入るのは簡単ながら出ることが難しいホテルとなっているのですよ!!」
 びかあああん。掲げた指先が光っていた。って、それもギミック?
「って、ホテルにあるまじきだろうそれはオイ!?」
「何を仰るウサギさん」
「ウサギさん言ったよこの人……!」
 突っ込み損ねた二人も口をヒクヒクさせている。
「泥棒避けですからして」
「避けてない避けてないから」
「逃がさないためなのです、ふっふっふ」
 キラァァァァン。
「それはもういい」
「という訳でありまして、そちらの仕掛けを手伝っていただきたいのです。それと他のお客様方の誘導の一部」
「というか、この人説明したつもりになっているみたいだよ、ディー」
「恐れ入った支配人だな」
「では、そのギミックについてご説明いたしますので、皆様ご拝聴をお願いいたします。もちろんご報酬はお支払いいたしますよ勿論」
 鳳支配人はその言葉にも何の疼痛も感じないまま、というかやけに嬉しそうに、依頼の説明に入っていった。

 


という十数分前の出来事を思い出しながら、四人はジト目で廊下を走っていた。
依頼のギミック開始まで、もう時間が無い。
「ま、……まあ、あの人の感想はともかくとして」
 ナハトが他の三人に振り返る。
「これが大事な仕事だってのは確かだよ。他のみんなの安全が掛かってるし、頑張ろう! ね?」
「そうだな」
「うん」
「そうですよね、ナハトさん! ちょっと聞いてんのケン?もっとしっかり返事しなさい!」
「してるじゃないか返事! ひどいよイズミ俺だけさぁ……」
 ようやく全員の持ち味が戻ってきた。
「よし、じゃあオレたちはこっちの棟の客を全部誘導するから。イズミとケンはそっちを頼むね」
 走りながら手を合わす。全員の手が合わさった。
「わかった」
「分かりましたナハトさん」
「よし、じゃあ後で。指定場所で会おう! 気をつけて!」

 そして、次の角で四人は二手に別れていった。

 

 

 <karicobo のコメント 2009-01-10 14:54:40 : >
何のための眼鏡……怪しい、怪しいよ、支配人!
一応、美形設定のつもりだったのにー。
高級ホテルが『泥棒ホイホイ』? でも楽しそうだね? みんな。
はっ、しまった。単なる読者になってしまった……。

 <tem-mon のコメント 2009-01-10 18:41:55 : >
karicoboさん、ありがとうございます(苦笑)
次はギミック開始、そしてその次はとうとう例の双子の中国拳法姉妹が暴れます。
さらに三つ目は、支配人の裏の顔と目的が。お楽しみに(^^)

あ、それと。

「ウサギさん言ったよこの人……!」

の後に

<ケンは慄いてつぶやいた。>

と繋げて入れてお下さい。
入れ忘れた(汗)


<コメント2009-01-10 18:48:20 : tem-mon >
あ、、美形ですよ、美形。
まだ書いて無いけど(爆)
ちなみに、後ろ髪を後ろで束ねた黒髪の優男風(実は強い)。
目は細目。眉は薄くしょうゆ顔。
でも、美形。
今はスーツだけど、格闘時にはチャイナ服(緑の男子用)になりまーす。
まだ書いて無いけど(コラ)


 <karicoboのコメント 2009-01-11 03:28:32 :  >
とりあえず、美形のつもりで描いてみますね。
しばらく格闘シーンと宇宙生物のターンは、ten-monさんにお任せ。私は宮廷画家になろう……この間、ナハトがものすんごい美少年に描けてしまいました。お楽しみに。

 <tem-mon のコメント 2009-01-14 13:33:41 : >
それは楽しみです。
また見せてくださいね。
でも、色とか設定だけは変えないようにお願いしますね(^^;)

2009.07.27.Mon 23:35 | リレー小説
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